Mühlbauer デザインチーム対談
From sketch to finished piece
- スケッチから帽子ができるまで -
「日常的に身に付けられる帽子」をコンセプトに
時代を捉えたクリエイションを生み出し続けるミュールバウアー。
コレクションはどのようにして作られるのか、今日における帽子とはどうあるべきか。
Mühlbauerデザインチームによる対談をお届けします。
Klaus Mühlbauer: CEO兼クリエイティブ部門責任者
Nora Berger: デザイナー兼婦人帽子職人
Madeleine Nostitz: デザイナー
Mühlbauer(ミュールバウアー)
1903年、Julianna Mühlbauerがオーストリア・ウィーンで帽子仕立屋を創業。以後代々引き継がれ、職人と培った歴史を継承しながら2001年より4代目となるKlausがデザイナーとして就任。選び抜かれた素材で、オーストリアの伝統的なチロル帽をベースとした、フレッシュかつモードなコレクションを提案しています。
─ アイディアはどこから?
Nora Klaus、あなたの尽きることのない新しいアイディアに、毎回すごくワクワクさせられます。これまでに制作したコレクションはどのくらい?Klaus 今回が41作目のコレクション。毎回新しいことを思いつかないといけない、ある種のプレッシャーは確かにありますね。プロフェッショナルであり続けるためには必要なことですが、とても大変な作業です。ひらめき、いわゆる「ミューズのキス」が常に訪れるわけではありませんから。
─ Relevance(時代にふさわしい、適したさま)
Klaus 僕らがコレクションで成し遂げたいことって何だろう?Nora 時代に見合うものを作り上げることかしら。帽子というものを進化させていくというか。
Klaus 「Relevance」っていい言葉ですよね。僕たちの帽子は、今の時代にフィットする形でなければいけない。懐かしさに浸るのも、一度やったところにまた戻ることもしたくありません。フェルトハットを新しい形にしていく工程はとても挑戦的で、今回のコレクションでは一番の難関でした。それでもこうして成功に至ったのは、フェルトハットをはっきりとしたデザインや決められた形にするのではなく、よりキャップやビーニーに近いスタイルにしようと決めたから。
Nora もちろん、そこにはファッション性も必要で・・・
Madeline しかも、ファッションに詳しくない人にも分かってもらえなければいけないし。
─ 大切なのは、一緒に座って話すこと。
Klaus 僕たちはたくさん話し合って、みんなのフィーリングを確かめ合いながらコレクション制作を進めていきます。Madeline テーマが決まったら、まずはアイディアをスケッチに起こし、徐々に形にして具体化させていきます。そしてアトリエでの工程が、次の重要なトピック。素晴らしい仕事がここで行われていますから!アイディアがスケッチとなり、そしてそれが製品として出来上がる。本当に美しいプロセスで、いつ見てもワクワクします。
Nora 私はたくさんの要素が様々な工程を経て、ひとつになっていくのがとても面白いと思います。一番大切なのは、こうやって一緒に座って話すこと。スケッチだけじゃ完成した帽子を想像することなんてできないと思うんです。そういった意味で私たちの仕事って、とっても感覚的なものだと言えますよね。