愛と魂の込められた、永遠の定番
SERGE THORAVALのジュエリーには特別な魅力と雰囲気がある。スターリング・シルバーやゴールドに一文字ずつ刻まれた文字が、素材そのものの持つ力強さと素朴な美しさを際立たせる。接吻と愛についてのロマンティックな詩や、聖書の一節から抜き出されたメッセージは、あるときは大切な誰かへの口に出せない想いを代弁してくれ、あるときは自分自身を勇気づけてくれるお守りにもなる。
SERGE THORAVALの刻印シリーズの中でも不朽の名作と言えるのが、この「Un Baiser(アン・べゼ)」だ。 エドモンド・ロスタンド作『シラノ・ド・ベルジュラック』より“接吻”の一節が、細く、不揃いな7本のリングに刻まれている。この愛の詩は1990年、最初に10本のブレスレットに、その後7本のリングに刻まれた。
刻印するという方法は、不器用で無骨なセルジュにとって“Dire(語る、話す)”という行為に代わる、彼らしい感情表現の手段だった。口に出すのが照れくさいような思いを、メタル片に刻んで大切な友人や恋人に贈ったという。ごくシンプルなメタルに彼が文字を打ち付けると、そこに何かが宿り、身に着けることでそのストーリーが完成される。
完璧ではない、完璧。全ての文字の間隔、その角度、刻む力は不揃いでありながら、しかし誰にも真似ができない完璧さを備えている。SERGE THORAVALのジュエリーは、まるでタトゥーのように、自分の身体から切り離すことのできない第二の皮膚となる。