水金の文庫革ができるまで
この「水金の文庫革」が、職人の手作業によって生まれる様子をご紹介します。
文庫革を作る東京唯一の工房は、スカイツリーの見える東京・向島にあります。
大関春子さんをはじめとする職人さんたちが毎日、革と向かい、筆と向かい、美しい文庫革工芸を製作しています。
ほとんどの工程が手仕事で、工房で行われます。
文庫革のために特別に白くなめされた牛革を型抜きして裁断します。
ミリ単位の情緒あるラインを再現する銅板の型。
絵の中にある全てのラインに命と気がこめられています。
彩色の過程はもっとも難しく、時間を要します。
出来上がりをイメージしながら、塗り、ぼかして、絵の立体感を出していきます。
柄によって使う塗料の色たちは、この小皿に残され、そして記憶され、ぶれないように同じ色が継ぎ足されています。
さび入れという加工を施す瞬間。
すべては職人同士の間合いで流れていきます。
”まこも”という植物の粉を振りいれて、型押しされ、彩色された表面に古びを付けていきます。
この風合いが彩色された革全体に一段の渋みを与え、全体に深みが増します。
仕上げに漆を施します。
これによって革全体に艶が生まれ、汚れにくいコーティング効果を生みます。 手仕事と自然素材から生まれる美しい工芸品文庫革のお財布は、日本が誇る美しい細工です。