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D-due デザイナーインタビュー
〜チャロスタイルの魅力を探る〜


D-due(デ・ドゥエ)のデザイナーの一人、ロサリオ・フロハン(通称 チャロ)は、そのアイコニックな独自のスタイルによって多くのファンを魅了しています。今回は、チャロのファッションに対するこだわりや、チャロスタイルの秘訣を探ります。

 

チャロが考える、自分らしいファッションとは何でしょうか?


服とは自分のアイデンティティを表現し、自分の必要性や感情に応えてくれるものであるべき。私が何よりも大切にしていることは「着心地の良さ」です。ゆったりとしたシルエットで、体のラインがあまり出ないものを選びます。体を締め付ける服は、私がその服に合わせないといけないから。自分が着ていて居心地が良いことが重要であって、服のために着るのではないという考えが私のスタイルのコンセプトになっています。
あとは、分厚い生地と薄い生地のコンビネーションが好きなので、夏や冬など季節に縛られない組み合わせもポイントですね。
 

 

重ね着を得意とするイメージがありますが、どのようにスタイリングを考えますか?


何かのスタイルをイメージして、意識的に服を選ぶことはないと思います。私のクローゼットは、私のピュアな感情が詰まっている場所。服は自分と共存しているものだから、コントロールする必要はなく何を選んでも自分の気持ちにぴったり合うものです。だから、その日の気分によって思うままに着る服を選びます。
私たちデザイナーにとって、仕事で忙しい時には服の存在があまりにも日常的で習慣化してしまうことがあり、皆が似たような格好をする光景をよく目にします。だから、特に仕事中は服へのリスペクトを忘れず、自分が楽しむためにもファッションに力を入れる努力をしなければいけないと思っています。
来日パーティで、お客様一人ひとりにスタイリングのアドバイスをするチャロ。

ファッションを考えるとき、常に意識することは?


一番は「色」ですね。いつも同じようなゆったりしたラインの服を選ぶので、色に気を遣わないと、ニュートラルな色や暗色が多くなってしまいます。特にファッションの仕事をしていると、夏は涼しげな色、冬は暗色というように一般化して、自分が見えなくなってしまうことがあるから、自分を表現できる色を意識しています。特に好きな色はマリンブルーです。

 

自分のスタイルは、何からインスピレーションを得ていますか?


誰かの作品というよりは、自分の人生そのものがインスピレーション源ですね。生きていく中で発見したものや経験が、今の私のスタイルを作っていると思います。

チャロスタイルの魅力はどこにあると思いますか?


私のスタイルを支持して下さっている方々に秘訣をお伝えするとしたら、自分のクローゼットを満たしている服は全て、物凄く好きで、感動したものではなくてはいけないということ。服を購入するとき、もしかするとTPOやコンビネーションの相性、季節や流行を考えることがあるかもしれませんが、私のスタイルはそれらに左右されない、もっとオルタナティブな方向性だと思います。理性で考える頭のフィルターではなく、自分を感動させる心のフィルターを通して選んだ服が揃うことで、その人の個性が生まれます。だから、私の場合はクローゼットに並ぶどの服を選んでも、たとえそれが異なるシーズンやコレクション同士であっても、全て組み合わせられるものになっています。
来日中の私服も色々なシーズンのコレクションをミックスしたもの。チャロらしい重ね着のスタイリングが自由な着こなし。

D-dueの服を着こなすためのポイントは?


今は社会自体がジェンダーやジャンルにとらわれない自由な方向に向かっています。私の信念は、私たちが女性である前に人類であるということ。流行や社会現象に左右されることなく、一人ひとりが自分のキャラクターに応じて自分のアイデンティティを強めてくれる服を選んでいただきたいです。D-dueは、アイデンティティを持つ人たちのためのブランドだと思っています。


 

チャロのスタイリング披露!D-due 2020年春夏コレクションを解説

 

2020年春夏コレクションのテーマ「Morriña(モリーニャ)」について教えてください。


D-dueの拠点であるスペインのガリシア地方は、スペインの最西端に位置することから移民が多いエリアですが、特に1930年代は内戦などの影響により多くの人々が出稼ぎのため南米へ移住したという歴史があります。今回のコレクションテーマである「モリーニャ」という言葉は、ブラジルに移住した女性が大切な人たちを残した故郷を懐かしむ気持ちを表しています。そして、当時は家族との唯一の連絡手段が手紙だったので、このコレクションには、自分のルールと繋がる証として、手紙のモチーフが度々登場します。
デニムのスカートに手紙の線をイメージするストライプシャツを合わせました。異なるストライプを重ね合わせた非常に細かいディテールの柄がポイントです。暑さが厳しいブラジルで生活する人たちを連想し、涼しげなリネンの素材を使っています。
個人的に、デニムは主人公を引き立てる脇役だと思っていて、今回のコレクションでも雰囲気を作り出す重要な役割を担っています。
デニム素材は、古き良き農村のイメージもありながら、上質な素材を使うことで洗練された雰囲気に。新しい生活を求めて移住したガリシアの人々の気持ちを表現しています。沢山重ね着をするとすごく居心地が良いので、いつもこのようにいくつも組み合わせています。
今シーズンは手紙のストライプに加えて、ブラジルの熱帯気候をイメージし、新しい出会いを意味するトロピカルフラワーをポイントにしました。ストライプシャツとデニムはマットな素材なので、クラシックで落ち着いた素材、そこにトロピカルフラワーを加えてコンビネーションを楽しみます。首元のリボンは真ん中で結ぶよりも少し外して、横で結ぶのが好きですね。

 
D-due ブランドプロフィール
 
めまぐるしく変化するファッションに対しての思考を反映した、クオリティの高いコレクションをクリエイトしつづけるD-due(デ・ドゥエ)。デザイナーはスペイン・ガリシア地方を拠点にするロサリオ・フロハンとアルフレド・オルメド。ドレスメーカーならではのハンドメイドの技術で、ディティールや刺繍などの細部へのこだわりを大切にしている。
 
 

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