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Episode.10 ファッションを通じた喜びの循環


小野寺 祐子さん

よく訪れるお店
記憶 H.P.FRANCEgoldie H.P.FRANCEdestination Tokyo、Lamp harajuku
 


 

大切なのは「面白い」かどうか


最初の出会いは1995年頃のこと、横浜タカシマヤのラグジュアリーブランドが並ぶエリアで、ガラスケースに展示されたキラキラと輝く小物の中に、JAMIN PUECH(ジャマン・ピュエッシュ)の小さなショルダーバッグを見つけました。そのバッグを見た瞬間、思わず「えっ!?」と驚くような、他とは違う独特の世界観に惹き込まれ、色違いで購入。
最初に購入した、JAMIN PUECHのバッグ(全て本人私物)
その後も銀座や丸の内、新宿、原宿など色々なエリアにあるアッシュ・ペー・フランスのお店で拝見して来ましたが、何よりも私にとって「面白い」と思わせてくれる唯一無二のセレクトで、沢山の素敵なアイテムと出会うことができました。

お買い物をする時には自然と、「皆と一緒はつまらない」という視点が基準になっています。最近の若い世代のファッションを見ると、何だか髪型まで似ていて、まるで制服のようだと感じてしまいます。そんなファッションは面白くも何ともないし、「皆と一緒が良い」という感覚は、私にはよく分かりません。アッシュ・ペーさんで紹介されているものは、人と被らないというところも、私にとって大事な要素でした。
30代半ばに「帽子の師匠」と出会ったことをきっかけに、帽子は常にマストアイテム。顔立ちや年齢によって似合う帽子は変わると思いますが、私自身は被った時に少し影ができるようなシルエットが好きです。
(ハット 左上から時計回り)1から7個目までSOLO MILLO / 8から10個目までJACQUES LE CORRE / 11個目 HUT UP / 12個目 GILLES FRANCOIS / 13から15個目まで CHRISTOPHE COPPENS



自分の中のセンサーが働いて何か欲しいものを見つけると、「これ面白い!」という単語が出てきます。よく、色々な方にファッションを「可愛い」と褒めていただくことがありますが、私には「可愛い」という感覚が無くて、ファッションとは「面白いか、面白くないか」のどちらかだと思っています。可愛いから着るのではなく、面白いから着るのです。
ケープ TATA CHRISTIAN / コート colomba leddi / ハット CHRISTOPHE COPPENS / ソックス ANTIPAST
イヤリング・ブレスレット Aprosio&Co / 右手リング Françoise Seigle Selection(全て本人私物)
「色がないとつまらない」と思っていると、結果的に「まるで色の塊のよう」と言われるほど、カラフルな色合わせになることが多いです。イヤリングも左右同じはつまらないから、いつも変えています。アイテム単体の柄や色ではなくコーディネート全体の色合わせをイメージし、頭で考えるよりもお腹の中で瞬時に「この色が合うかな、合わないか」と、選んでいく感覚です。たまに、何も思い浮かばない日は適当に選んだ服の上にコートを羽織って出掛けますが、そんな時アッシュ・ペー・フランスのお店には絶対立ち寄りません(笑)。
ドレス colomba leddi / ハット CHRISTOPHE COPPENS / 右手 ブレスレット Aprosio&Co、リング WOUTERS&HENDRIX / ソックス ANTIPAST
バックパック JACK GOMME / イヤリング tamas / 左手 ブレスレット MAHATSARA(全て本人私物)

作り手の顔が見える関係性


海外へ行くことがほとんど無い私にとって、世界中を訪れて見つけた面白いものを紹介し、さらに世界中のクリエイターを度々日本に連れて来てくださるアッシュ・ペー・フランスのお店は特別な存在。日頃から自然農法で生産された食材を多く使用する食生活を続けていますが、自分が口にする食材の作り手は農家の方々や醤油、味噌の業者さんなど、ほとんど顔を知っている人で構成されており、中には直接面識のある方もいます。
アッシュ・ペーさんがクリエイターと私たちを繋いでくれることは、それと全く同じ意味合いを持ち、実際に作り手の人となりを知ることで、作品に対する捉え方も変わってきます。お店の方たちも、背景にある様々なストーリーを教えてくださるので、素人の自分にはその作品がどれだけ大変な工程を経て作られたものか分からなくても、その方の想いをちゃんと受け止められている気がします。アッシュ・ペー・フランスの商品の「面白さ」とは、既製服だとしてもアート作品のように作り手のコンセプトがしっかり感じられるところ。自然農法の食材と一緒で、私たちエンドユーザーにまで作り手の顔が見える関係性であることが、何よりも大切だと思います。
ジャケット・ドレス SINA SUIEN / ハット JACQUES LE CORRE / ソックス ANTIPAST
ネックレス Françoise Seigle Selection / イヤリング・右手ブレスレット・赤リング Aprosio&Co / 白リング LIA DI GREGORIO(全て本人私物)
ハット SOLO MILLO / イヤリング・ネックレス・ブレスレット Aprosio&Co / 右手リング ZOE SHERWOOD / ソックス ANTIPAST
バックパック・ジャケット マルト・デムランセレクション(全て本人私物)

喜びの循環


私のファッションを見て、「それだけ色を沢山使いながらまとまっているのがすごい」「祐子さんにしか出来ない着こなし」「楽しいからいいよね」など、声を掛けていただくことが度々あります。クリエイターが誰かに身に付けてもらおうと思って作ったものを、アッシュ・ペー・フランスが世界中からセレクトし紹介してくれて、それを着た私を見た誰かが、また喜んでくれる。まさに「喜びの循環」です。作り手、アッシュ・ペーさん、着る人(私のようなエンドユーザー)、皆が繋がってひとつの輪になる関係性が本当に素敵だと思います。私も、その流れの中の一員として、自分のファッションを通じて周りの人を楽しい気持ちにできたら嬉しいです。そして私にとって、作り手と着る人を繋いでくれる存在であるアッシュ・ペーさんに、「ありがとう」と言いたいです!
バッグ・ハット JACQUES LE CORRE / イヤリング・ネックレス Aprosio&Co / 右手リング WOUTERS&HENDRIX / ソックス ANTIPAST
ジャケット・サロペット minä perhonen / グローブ ANTIPAST(全て本人私物)