スペイン/ガリシア地方のブランド「D-due(デ・ドゥエ)」。1960年代から続く老舗のドレスメーカーを拠点とし、その世代を超えて受け継がれた洋裁の世界での確かなノウハウは彼らのものづくりのをすべてに活かされている。D-dueの衣服はすべて職人による手作業で作られ、全ての要素のディティールにまで細心の注意を払って作られるその意匠によって、他の衣服との圧倒的な違いが見て取れる。また、毎シーズン、現地のライフスタイルを投影したコンセプトとアートのような制作プロセスによって、ファッションの領域に留まらないブランドの唯一無二性が生まれた。
2023年秋冬コレクションのテーマは「Lost Houses」。今シーズンのコレクションではここ数年テーマにしてきた海やそこに住む生き物や人々といった世界と離れ、内陸部のより牧歌的な風景が広がる田舎をコンセプトに添えた。忘れじの家の名の通り、田舎に廃棄された家々は、かつてそこに生命を収容していた空間としての確固たる証となっています。中には道具置き場として転用されたものもあれば、牛や家畜を保護する厩舎として機能しているものもありますが、ほとんどの場合、それらは我々が誰であったかについてを表す、荒涼とした物語のようなものです。廃墟と、今でも人が住んでいる場所と共存する姿は、ガリシアの魔法のような歴史の中で息づき、現地の田園風景をより特別なものとしています。
伝統的なガリシアのスタイルとして、農家の家庭で使われるホームファブリックには常に白いリネンが使われている。そこには持ち主のイニシャルや、様々な文様が刺繍されている。そうした、とても人と親密なものとしての衣服を目指した「Maison」シリーズ。