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Mariana Mendez


- When I was a little girl -


「コレクション “When I was a little girl(私が幼い頃)”は、ブランド マリアナ・メンデスにとって、とても重要なめぐり合わせとなり、これはおそらく、私たちみんながそれぞれのストーリーを生きてきた中で、最大のかかわりをもつ年、それが2021年なのではないかと、感じています。」

穏やかに、そしてしっかりとした口調で語るクリエイター マリアナ・メンデス。
2021春夏コレクションへの思いを中心に、ブランドのクリエイションについて聞きました。
 


 

2021春夏コレクションは、ロックダウンの中でのクリエイションとなりました。どのような思いで作りましたか?



「身に着けるアート作品」でありながら、子供の頃の鮮やかさを思わせる、活力と喜びに満ちたコレクションを生み出すよう取り組みました。
作品に文章やドローイングで手を入れることで、作品ひとつひとつと私が個人的にかかわる時間を持つことができます。「私が幼い女の子だったとき」から、ところかまわず描くのをやめられない「フリーハンド・ドローイング」で、そのまま描いています。 人間がその起源に戻る必要に迫られたとき、真に「誠実で自然」であることに幸せを見い出し、私たちみんなが「見た目」の生活の不必要さに気づくときを迎えたのではないかと感じます。 大切なのは、シンプルで丁寧に作られていること、手作りであることのよさがわかること…… これらのことはマリアナ・メンデスの真骨頂で、私たちは作品を通じてそれを広めないわけにいきません!

 

20年継続しているブランドですが、大切にしていることを教えてください。



マリアナ・メンデスが大切にしているのは、作品とそれを購入される方との、単なる実用品としてではないつながりを作ることです。
これは、私が事業責任者として、職人と一緒に作品を生み出すため働くのと同じつながりです。このつながりによって、それぞれの作品に込められるポジティヴな力はとても強く、たとえそれを知らなくても、私たちは皆すべての人の幸せにかかわっています。それは人間の大きな目的なのではないかと、私は考えています。
すべての人が、自分の小さな行いで何かの役に立ちたいと思っていると考えるのが私は好きですし、これが私のやり方です。私はヨガを通して、この集合意識とすっかりつながっています。


 

コレクションから、特徴的な作品を紹介してください。

小さなバスケット
ベースには生地を使い、細長いエラスティックの染めなど、ほとんど全て手仕事で作られ、そしてハンドルに描き込みをしています。
レクタングル
バティックプリント、フロントポケットの革細工、表面をラバーで仕上げ、バティックを手縫いで付けました。まさにアトリエのすべての技術を集結した作品です。
スクエア・ポケット
私の場所とその近所の地図を描きながら、作品を見た方をこの近所に連れて来ることを想像して、とても幸せな時間を過ごしました。
ビヴァルダ2021春夏
これは私たちの最も象徴的な作品で、何時間もの手仕事を必要とします。三角形の織りと長方形の織りを合わせて、 いつものように手染めを行い、職人によって100%手仕事で仕上げられていきます。そして彼女にも私がメッセージと絵を描きました。

H.P.FRANCE Boutiqueとその近所の地図を描こうと思い立ったのはなぜでしょうか?



私をよく知る沢山の人が知っていることですが、私が自分を表現するのにいちばんいいのは、鉛筆かペンを使うことです。話すよりも描く方が、私にはずっと自然です。
アイデアを整理するために、鉛筆と紙を手に取り、描き始めると、集中できます。私にとっては、携帯電話よりも鉛筆を手にもっているか、バッグに入っていることの方がより大事であると言っても過言ではありません……
ロックダウン中に、これこそコレクションに取り入れなければと思い、こうして作品に、新しい特徴が生まれました。
「スクエア・ポケット」は、これを具現化した最初の公式発表作品で、「ホリゾンタル+クアドラート」にH.P.FRANCE Boutiqueの各店舗の地図を描くことは、ワクワクする素晴らしい経験で、まるでそれぞれの町にいるようでした。
私はこの作品をとても気に入っています!!! みなさんにも同じように楽しんでもらえたら、とても嬉しいです。
 




 

作品に使われている革を選ぶ際に大事にしていることは何でしょうか?



コレクションのために選ぶ素材は、コレクション全体にうまく調和し、一貫している必要があります。
私が技法を上手く使いこなし、それぞれの作品をアート作品と考えるのと、その快適さと実用的な要素についても一緒に考えます。私は特に優しい手触りで柔らかくて軽い革を選びます。これが、特にシープスキンを選ぶ理由です(カタルーニャのラムスキンは本当に素晴らしいです)。
仕入れ先は、革がマリアナ・メンデス作品の一部となるための主要な基準は、しなやか手触りと軽さであることを心得てくれています。

 

エラスティック・ファイバーも初期のころから作品に取り入れられていますね。あなたのクリエイションの中で、この素材はどういった意味をもっていますか?




私にとって樹脂を扱うのは、とても魅力的なことです。表面が液体から固体へと変化し新しい表情を作る過程で、色、不透明度、質感に手を加えられることに、私は夢中になります。 事実、息子も子供の頃から型や液体ゴム、染料などで遊んでいたので、私の研究室はいつも彼のお気に入りの場所でした。
混じり気の無い原材料ゴムを使うことで、まったく別の新しいものになります。 マリアナ・メンデスの作品に見られるパターン、テクスチャー、素材はすべて完全にオリジナルでありたいと考えていて、樹脂はそれを可能にする優れた素材であり、「ゴム」は現代美の一部を成していると、確信しています。私は、ゴムをコレクションの外観に施すことをすごく気に入っています。なぜなら、私たちは作品の多様性を信じていて、この効果によって日常的に、また特別な夜の両方に使えるようになるからです。

 

あなたは、 絵を描くこともできますが、なぜバッグを作ることにしたのですか?



それはとてもいい質問ですね。
私はアートに囲まれて育ちました。母はヴィジュアルアーティストで、私の遊び場は美術館やギャラリーでした。私にとって、アートは「生き方」であり、世界を理解することです。
母は壁に掛けるやり方で彼女のアートをとらえています。私は、デザインの世界が、壁のアートから「使うことができるもの」にする、私のアートを制作する方法を可能にしてくれます。
今日の世界では、アートを常に使うものに取り入れ、持ち歩くことは大切なことだと思います。自分自身を「ほめる」いちばんよい方法は、自分の外見に取り入れられるオブジェや衣服を自分に贈ることで、こうして自分と相互作用するための貴重なものを身に着けるようになります。私がバッグやアクセサリーを作っているのは、こうした理由からです。
彼女たちはまさに「着るアート」であり、インテリアを飾る作品であり、内と外とで頻繁に使われています。
私が本当に愛してやまない私たちの作品の多様性は、私たちのコレクションを探求するための、まばゆいもう一つの魅力になっています。こうした方法も、まもなくコレクションで紹介していきたいと思っています。

 

Designer Profile

 

Mariana Mendez
マリアナ・メンデス
マリアナ・メンデスは、デザインの世界とアートと服の世界の間を自在に泳ぐ作品を制作することで、彼女の世界を作ってきました。 彼女の作品はアクセサリーとして、服を着るように、また内部空間を飾ったりします。彼女にとって、立体的で有用なオブジェクトは、彼女の研究と創造的活動が発展する出発点。そこには彼女が22年以上にわたって研究されたさまざまな芸術的および職人的技術が反映しています。

 

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マリアナ・メンデスの特集

 
『Mariana Méndezの20年 クリエイションが世界を拡げる A world expanding through creation』



 

Blog:『Mariana Méndez&H.P.FRANCE 20years together』 2020.09.11

 

Blog:『Mariana Mendez " 夜 "』 2020.03.20