MORRIÑA /
D-dueデザイナーとスペインガリシア地方を巡る vol.4
スペイン北西部、ポルトガルに隣接するガリシア州。1960年代から続く、とても小さな老舗ドレスメーカーから生まれたブランドD-due(デ・ドゥエ)は今でもその場所でものづくりを続け、ブランド設立以来、この愛すべきガリシアでの生活をコンセプトの根底に置き、コレクションを発表し続けています。2020年春夏コレクションのテーマは現地で独自に話される言語、ガリシア語で郷愁や土地への想いや愛を意味する「モリーニャ」をタイトルに制作しました。ここではその何処か懐かしいような田舎街、安らぎのあるガリシアの魅力を数回に渡り、お伝えいたします。最終回となる第四弾は毎年7月に開かれるガリシアの工芸市を特集致します。
ガリシア工芸の祭典
「Artesanía de Galicia」
毎年7月になると、スペイン各地だけでなく、世界中から人が集まるガリシア工芸の祭典Artesanía de Galicia(アルテサニア・デ・ガリシア)がガリシアの内陸部、アゴラーダの街で催される。ガリシアは州政府/経済産業省の中にNPO法人として同名の団体を組織しており、州内の工芸作家を集め、新進気鋭のデザイナーとのコラボレーションや全体感のディレクション、国内外の展示会への出展などをサポートし、その歴史ある技術と作家の活動をサポートしている。会場となるこの場所も約300年前にマーケットとして使用されていた戸建の石造りの建物。そこにシンプルながらも美しいデザインの屋台が並び、それぞれのブースに陶器や木工製品、貴金属、衣類から食器まで展示・販売されている。D-dueのデザイナー、チャロの友人であるエレーナがつとめていることもあり、毎年赴いている大好きな祭典。